今日もお散歩で森の中をふらふら歩いてきた一行。
「なんだか雲行きが怪しいねぇ」
そんなことを話しながら空を見上げて歩いていたからか、また来たことのない場所に出てきてしまった“チャックま”たち。周りには糸杉が鬱蒼と茂り、先に何があるのかよく見えません。それでもみんなで歩いている気安さか、先へ先へと歩いていく一行。
「あ、あそこ!」コグマが叫んでトコトコと走っていきました。他のみんなもついていくと、程なくポッカリと開けた場所に出ました。
そこには小さな沼があって、いくつかの岩が水面から顔を出しています。それぞれ胡麻塩頭のように苔が生えていて、この場所が長らくこのままの姿だったことの証人になっています。
四人がぼんやりと沼を見ていると、雲の切れ間からサッと光の柱が走り、沼の真ん中にあるひときわ大きな岩に当たりました。そこには赤いお花が咲いていて、まるでスポットライトを浴びたかのようにキラキラと輝いたのでした。
「…きれい」